からふる。~第3話~
私は言葉が出なかった。


頭が真っ白になり、言葉を生み出せなかった。


こんなカッコいい人、今まで会ったことない。


端整な顔立ち、すらりとした抜群のスタイル、醸し出されるイケメンオーラ。


全てが美しく、繊細でどこか儚い。


魅惑的な雰囲気にどっぷり飲まれてしまった。



「もしかして見とれてくれちゃってる?」


「ああ...えっとぉ、その...」


「澪くんカッコいいでしょう?ま、それはいいんだけど、ときちゃん自己紹介お願いね」


「あっはい。えっと...朱鷺田紗彩です。本日からこちらで働かせていただきます。よろしくお願いします」


「よろしく紗彩ちゃん」



よろしく紗彩ちゃん...。


心臓のど真ん中を射る鋭い矢が突き刺さって取れない。


ぽわわーんとしている私を見かねて沼口さんが諭す。



「ときちゃんの自己紹介はまた朝ごはんの時ね。それまでは私達の補助してちょうだい」


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