からふる。~第3話~
慣れない作業に悪戦苦闘しながも何とか食事を並べ終えられた。



「ちゃんと出来るじゃん。ありがとう紗彩ちゃん」


「元お嬢様とは思えない活躍ぶりだよ。ときちゃんを雇って良かった!さてと、そろそろ皆来るかな?」



午前7時15分。


四方八方から足音が聞こえてきた。


私は白鳥さんの隣に立ち、悪目立ちしないように大人しくしていた。



「おっす白鳥!...って誰その子?」


「ちょっと待っててね。ちゃんと紹介するから」


「赤井くんは気が早いですね」


「会長が冷静過ぎんだよ!もっとリアクションしろよ!つまんねえだろ?」


「リアクションしてますよ。そもそも驚きすぎです。昨晩沼口さんから言われましたよね?明日から新人さんがいらっしゃるって」


「そうか?あっはっは!忘れてたわ!」



この高笑い、なんかすごく威勢が良い。


この人の声良く通るし。



「おはようございます」


「なぎ、おはよ!見ろよ!新人だよ、新人!」


「大地先輩はしゃぎ過ぎですよ」


「いやお前らがおかしいんだよ!だってこんな若い新人だぞ?奇跡だ、奇跡!」



奇跡なんて言われてしまった。


私、この男子達の目の保養的な存在なのだろうか?



「おはようございまあす!」


「よっ!凜おっはー!」


「大ちゃん今日も元気100倍ですねえ!」


「元気だけが取り柄だからな!あっはっは!」


「あっはっは!わっはっは!」


「あっはっは!あっはっは!」



こ、ここ、これが男子寮の実態!


朝から騒がしすぎ。


女子がおしゃべりなのはわかるけど、男子がここまでうるさいとは思わなかった。


半年間一緒だったクラスメートにもこんな人はいなかった。


あまりのハイテンションぶりに私は頭が痛かった。


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