冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
朝日を迎える
夜中。
ある人物の帰宅に、偶然居合わせた使用人達は顔を青ざめさせた。
分かりやすい程の動揺と緊張感が、一瞬にしてその場に伝わる。
「お、王様………」
話を聞きつけたルークスは目の前に姿の現した。
頭を下げるルークスは、どこかぎこち無く気まずそうに見える。
「それで、どうなった?」
「……………結果からお話しますと、未だ見つかっておりません」
___ドシャーン………ッ!!
報告直後。
大きな音を立てて、雷はどこかへ落下した。
『ゴロゴロ…』と雷鳴の聞こえる曇天の空は、再び大きな雷でも落ちてきそうだ。