冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
嘘の証拠を皇帝陛下へ手渡し、私をここから追放するつもりだ。
「殺人未遂…と言えど罪は重い。それが例え皇族だとしてもな」
例え真実ではないとしても、追い出せる理由が出来たのだ。
皇帝陛下は必ず私を追い出そうとするだろう。
「悪いがこの場で処罰を言い渡す」
皇帝陛下の低く重みのある声が、王の間に響き渡る。
修道院行きか、国外追放か。
あるいは最悪、死刑か。
ただ、愛しただけなのに。
この国の誰よりも信じていたのに。
最後の最後まで、裏切られたなんて。
"また"死ぬかもしれないなんて。
(……………………また?)