冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
でも、確かにクランベルの言う通り本人に聞いた方が後々気持ちは良いと思うし、王様の考えていらっしゃるお気持ちまで知れて、一石二鳥でもある。
(けれど………)
「捜したのはただの気まぐれだって仰るかな……」
かなり不安だ。
そんな私を見て、クランベルは何か確信したような言い方をした。
「恐らく大丈夫ですよ」
「何で分かるの?」
「勘………ですかね」
惚ける様に笑うクランベルだが、それが逆に私を落ち着かせ反対に大丈夫だという気分にさせた。
「私……今から王様の元へ向かいます!」
ベッドの中から勢い良く抜け出すと、クランベルに向かって叫ぶ。
対するクランベルは何だか楽しそうに、支度をするのであった。