冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
「……まさかっ!!!」
皇帝陛下が何かに気づいたのか、酷く焦り始める。
先程までの威勢はどこへやら。
「お、追い返せ!!今は忙しいと…ここには立ち入れさせるな!」
皇帝陛下は前に跪く騎士に大声で命じるが、既に遅かった様だ。
___コツ……コツ……コツ………………………。
足音が止まる。
その場にいた皆が、現れたその人物へ視線を向ける。
「面白い事をやっているな。スレンストの皇帝よ」
その人物は冷めた笑みを口元に浮かべ、皇帝陛下の前に姿を現したのだった。