冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
「来週、同盟を結んでいるフェルノ公国にて夜会が開かれる事になっている。それに参加する事にしたから、もし良ければと思ったのだ」
パーティーの華やかな雰囲気。
正直、私はパーティー自体嫌いではない。
けれど、私なんかが堂々とパーティーの会場へ入ってはいけなかった。
『参加は大目に見るが、出しゃばるのではない。大人しく端で過ごす様に』
それが、ある皇妃様から言われた言葉だ。
憧れていたけれど、そこには行けなかった場所。
「会場のホールに……いけるのですか?」
「何を当然の事を言っているのだ。パーティーなのだから当然、ダンスもあるが……問題ないか?」
「はい……っ!ダンスはここで学ばせて頂いておりますので、ご安心下さい!」
「ご安心を……か。では、楽しみにしておこう」
王様は私の言葉に何故か可笑しそうに笑った。
クランベルと言い、王様と言い。
私の言葉は、笑うほど可笑しいだろうか。