冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
「ん?何だ、お茶会を開くのか」
「その様ですね。お妃様自ら主催され、ご令嬢方をもてなすそうでございます」
宰相レニアスが持ってきた資料の中に入っていた紙には、王城内立入り許可を乞う内容とお茶会に参加する者のリストが記載されていた。
「このメンバーに問題はないが……一体どんな繋がりなのだ?」
そう言って首を傾げる。
男爵令嬢に、伯爵令嬢。
皆、バラバラだ。
「さぁ…。しかし、交流される事は良い傾向では?」
「まぁ、そうだな。初めの頃に比べたら表情も明るくなったし、社交性もでてきたのかもしれぬな」
気にはなったが、そのまま資料に印を押す。
「印を押してもらう資料は他にもございます」
「まだあるのか…」
レニアスはそう言って更に積まれた資料を、机の上に追加する。
その量に思わず顔をしかめる。
「夜会が終わった途端、忙しくなったな」
「皆仕事をされていると言う事です。さぁ、ここにも印を……」
いつもはここまで忙しくないのに、一体どういう事か。
終わりそうもない量を目の前に、深い溜息を思わず吐くのだった。