冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
光の輝きが次第に増していく。
「……クランベル…?」
身体を包み込む中頭の中に浮かび上がった人達の姿に思わず涙を零す。
私は確かにリティだ。
けれど、それは過去の事。
今の私は、ガーネル・リドゥ・アデリカル。
アデリカル王国の王妃だ。
(私の居場所は……ここだ)
私は確かにジェットが好きだった。
けれど、今は――――――。
(王様に会いたい…)
王様の側に居たい。
光が身体全体を包み込む。
その光はとても暖かくて、気持ちが良い。
私は襲い掛かった睡魔に身を任せる様に、ゆっくりと瞼を閉じた。