冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
♢第二章♢
消せない記憶
♢ ♢ ♢
アデリカル王国の王であるカイルーク・ゼル・メセス・アデリカルが、
スレンスト帝国の二十八番目の皇女、ガーネル・リドゥ・スレンストを初めて目にしたのは、今から五年前。
スレンスト帝国主催のパーティーに参加した時だった。
大規模に開かれたそのパーティーでは、他国の重鎮以外にも沢山の皇族の姿があり、姿や雰囲気は違ったけれど、ひと目見て直ぐに気がついた。
あれは、"リティ王女"だと。
俺がジェットではなく"カイルーク"として生まれ変わった様に、姫様も転生されたのだ。
例えどんな見た目をしていようがすぐ分かる。
魂や体の中を流れる血が『そうだ』と騒ぐから。
アデリカル王国の第一王女リティ・ジェシカ・アデリカル。
護衛騎士として常にお側にいたのがこの俺、ジェットだ。
当時は姫様の片腕と言われ、一緒に戦場を駆け回り数々の栄冠を勝ち取ってきた。
アデリカル王国の王であるカイルーク・ゼル・メセス・アデリカルが、
スレンスト帝国の二十八番目の皇女、ガーネル・リドゥ・スレンストを初めて目にしたのは、今から五年前。
スレンスト帝国主催のパーティーに参加した時だった。
大規模に開かれたそのパーティーでは、他国の重鎮以外にも沢山の皇族の姿があり、姿や雰囲気は違ったけれど、ひと目見て直ぐに気がついた。
あれは、"リティ王女"だと。
俺がジェットではなく"カイルーク"として生まれ変わった様に、姫様も転生されたのだ。
例えどんな見た目をしていようがすぐ分かる。
魂や体の中を流れる血が『そうだ』と騒ぐから。
アデリカル王国の第一王女リティ・ジェシカ・アデリカル。
護衛騎士として常にお側にいたのがこの俺、ジェットだ。
当時は姫様の片腕と言われ、一緒に戦場を駆け回り数々の栄冠を勝ち取ってきた。