冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
「………そなたの趣味では無かったか?それとも、部屋がやはり狭かったか……」
冗談だとはとても思えない真剣な面持ちで、そう言葉を発せられる王様。
「……よし、分かった。直ちに部屋を変えさせよう」
今にも実行しそうな勢いに、焦って口を開いた。
「い、いえ…………っ!決してそうではございません」
「では、どうした?」
「その……」
『何故、私にこの様な良い部屋を与えて下さったのか』
『もしかして、何か企んでいらっしゃるのか』
流石にその様には言えなかった。
だから、代わりの似た言葉を必死に探す。