冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】
「分かった。そうするね」
「…今後は淑女教育を受けて頂きます。それと、歴史のお勉強もですね」
「れ、歴史…………?」
「はい。見た感じ全くご存知ではない様子ですので、せめてアデリカル王国とスレンスト帝国との間に何があったのか、理解された方が宜しいかと存じます」
その言葉に胸がざわつく。
スレンスト帝国では、図書室で本を借りては良く読んでいた。
その中にはもちろん歴史書も存在した。
「スレンスト帝国の歴史なら、本で読んだ事があるけど…」
「それは、どの様な内容ですか?」
あれは確か___……。
「"戦争にて数々の勝利をその手に収め、国が大いに発達し、戦乱の時代が終わった後は他国との交流を考えて同盟を交した"。そう書いてあったわ」
アデリカル王国については深く触れられていなかったけれど、同盟を結んだ国の一つとして名前が記載されていた覚えがある。