冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】



「わ…私でございますか?」


少しの間が空いた後、ジレマン男爵は恐る恐る口を開いた


「あぁ。もしこれが成功すれば、我々は男爵を賞賛するだろう。そして、その報酬で始めようとしていた事業に惜しみなく投資しようと考えているのだが…………」


「………………っ!!ほ、本当ですか!?」


その言葉に、男爵は分かりやすく食いつく。


甘い誘惑とも知らずに。


「嘘はつかない。だろう?皆」


「あぁ!」


「当然だ!」


頷く姿を見て、男爵の目が輝く。


「…………大事な御役目。この私がお受け致します!!」


「どの様な手段であそこまで連れて行くのかは、男爵にお任せします。良い結果を楽しみにしていますぞ」


そう言って高らかに笑う男の声が、部屋に響き渡る。


知らない所で、陰謀が徐々に動き始める___……。


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