王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



だったらこっちだって折れないもん……。
薬はぜったい飲みたくないもん。


「へぇ……どうしても嫌なの?」

「やだ……」


意地でも飲まないよって目で訴えてみたら、はぁとため息をついた。


「……じゃあ、仕方ないね」

やっぱりわたしに甘い芭瑠くんが折れてくれたのかと思った。


「1人で飲めないなら僕が飲ませてあげる」

「へ……っ?」


あれ、あれれ?
飲まなくていいんじゃないの……!?

しかも芭瑠くんが飲ませるってどういうこと!?


「芙結はそのまま寝てていいよ」

「えっ、ちょっ……」


にこっと笑った芭瑠くんが、わたしの上に覆いかぶさってきた。

もちろん、薬とお水が入ったペットボトルを片手に。


「な、何するの……っ」

「芙結に薬を飲ませるんだよ」


まさか力ずくで飲ませようとしてくるんじゃ……。

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