王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



「詩ちゃんが、これくらいは普通だよって」

「普通じゃないし。これほぼ下着じゃん」


「でも、みんなこんなの着てるし」

「別に他の子はどーでもいいけど芙結はダメ。
……僕ですらこんな格好見るの初めてなのに」


すると、肌を撫でていた芭瑠くんの手が首筋のところでピタッと止まった。


「……しかもさ、こんなリボンひとつでほどけちゃうとか」

「ひぇっ……、ちょっ……」


首の後ろで結んだリボンがシュルッとほどかれる音が聞こえてきた。


あわてて目の前の芭瑠くんの身体にギュッとしがみつく。


「……危機感なさすぎ」

「は、芭瑠くん、待って……っ」


「やだ。芙結が僕以外の男の前で可愛い格好してるから、そのお仕置き」

「そんな、イジワルしちゃ……やだ」


なんとかして暴走を止めなきゃって思うのに、耳元でささやかれる甘い声のせいでクラクラしてくる。

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