王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
王子様のかくしごと。
詩ちゃんたちと海に行ってから1週間くらいが過ぎて、まだ絶賛夏休み中。
今わたしは広いテーブルで1人、お昼を食べている。
ここ最近、ほとんどこんな感じ。
いつも一緒にいてくれる芭瑠くんは、夏休みに入ってからほぼ毎日、朝から夕方まで外に出ている。
あまり深くは教えてくれないけど、お父さんの会社に行ってるらしい。
いつも夕方の6時前には帰ってくるけれど、どこか疲れてる様子が見えるし。
わたしの前ではそういうのを見せないようにしてるのか、無理してるような気がする。
大丈夫とか、無理してない?って聞いても、「心配しなくても大丈夫だよ」の一点張り。
「はぁ……」
「どうかされましたか、芙結さま?」
無意識にため息をついてしまい、すかさず柏葉さんが声をかけてくれる。
「あっ、いえ……大丈夫です」