王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
気遣ってそういう言葉をかけてくれてるのかな。
「そんなこと……」
「いえ。昔からそうです。
芭瑠さまは芙結さまのためなら、どんな困難でも乗り越えられると思います」
昔から……?
わたしにはわからない世界の話。
しょせんわたしはただの一般家庭に生まれた子で、お金持ちの世界なんて何ひとつ知らない。
「それと芙結さまがさびしいと言えば、芭瑠さまは喜ぶのではないかと思いますよ?」
「わがままって思われないですか?」
「いえ。むしろ芙結さまに求めていただけるほうが嬉しいかと。思ったことは素直に口に出してみてください」
疲れてるうえに、わたしがさびしいなんて言ったら負担になるんじゃないかって思ってたから。
柏葉さんの言葉を少し信じてみようって思った。