王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



***


結局、さびしいなんてわがままは言えなくて、あっという間に時間は過ぎて夜の11時。


ベッドで寝ようとしたら、芭瑠くんも同じタイミングでベッドに入ってくる。


「……おやすみ、芙結」

「おやすみなさい……」


やっぱり抱きしめてもらうと寝心地がすごく良くて、すぐに眠りに落ちてしまう。

ただ、これは芭瑠くんに抱きしめてもらってるからで。他の人だったらぜったい無理だと思う。



***



意識を手放して眠りについてから数時間。


「ん……、」


珍しく目を覚ましてしまった。

いつも寝たらぜったい目を覚まさないのに、なんで覚めちゃったんだろう?

窓の外はまだ真っ暗。


……変な時間に起きちゃった、かな。



同時にある違和感を覚えた。


……あれ、なんでわたし1人で寝てる……の?


隣で一緒に眠ってるはずの芭瑠くんの姿がなくて、夢かと思って目を擦った。

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