王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
「それと、もうすでに何人か見えているから簡単に挨拶してきたらどうだ?まだしてないだろう?」
「いや……芙結を1人にできないから」
「それなら心配いらない。少しの間ならわたしたちがそばについているし、じきに柏葉も来るだろう?」
芭瑠くんが心配そうにわたしのほうを見る。
たぶん、さっきあれだけ不安がっていたから離れることを躊躇しているのかもしれない。
わたしのせいで芭瑠くんの負担が増えて、時間を取らせちゃうのは申し訳ないから……。
「あの、芭瑠くん…?
わたしは大丈夫だから、いってきて?」
「けど、1人だと不安でしょ?
……それに隣にいるって約束したし」
「だ、大丈夫だよ!
会場の隅っこにいればいいし、あとで柏葉さんも来てくれるから」
わたしなんかの相手をしてる場合じゃないことくらい、充分わかってるつもりだから。