王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



チラッと見える横顔はやっぱり芭瑠くんそっくり。


「芭瑠は……キミのそばにいられるなら、なんだって乗り越えると、わたしに約束したからね」


そして、ふとあることが頭の中に浮かんだ。
それを聞いていいのか迷う。

もし聞いても教えてもらえないかもしれないけど……。


「あの……ひとつ聞いてもいいですか」

「何かな?」


質問を自分から切り出そうとしたけど、なんて聞いたらいいのかわからなくなってしまった。


すると、何かを察してくれたのか向こうが口を開いた。


「あまり難しいことを言うとわかりにくいだろうから、簡単に言うと、芭瑠は今将来に向けてわたしの会社でいろいろと勉強してる……というところかな」


将来に向けて……。
遠いような言葉に聞こえて、実際その未来はもう間近まで来ているんだと思った。

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