王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
「お願いってなんのこと?」
「えっ??」
お父さんが去った後、芭瑠くんが不思議そうな顔をしてわたしをジーッと見てくる。
「父さんになんか変なこと言われた?」
「う、ううん…!何も言われてないよ?少しお話しさせてもらっただけ」
それにお話しさせてもらって、なんだかとても嬉しい気分になった。
だって、芭瑠くんが小さい頃からわたしを想ってくれていた……なんて聞いたら嬉しくなっちゃう。
それがもしも、今も変わっていないんだったらって。
今、わたしの気持ちは少しずつ固まって、もうそろそろ自覚……してもいいんじゃないかって思う。
きっと今もこれから先も、2人で過ごす時間は変わらないものだと思って、焦ることはないんじゃないかって、ゆっくりでいいのかな……なんて。
そんな甘いことを考えていた瞬間だった。
「あー!!芭瑠いたっ!!」