王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
着させられたのは、薄いピンクの切り込みが入ったワンピース。
足首まで隠れるロングの丈に、肩から腕の部分にかけて、すべてがレースになっている。
「芙結さまはとても可愛らしい顔立ちで、お化粧は必要ないかと思いますので、リップだけにしておきますね」
「え、えと……」
戸惑っている間にも、メイドさんたちはさくさくと色々進めていく。
胸元まで伸ばした髪は毛先を軽くコテで巻かれて、サイドに可愛いボルドーカラーのバレッタをつけてもらった。
そして、首元にはさっき家からずっと身に付けている桜のネックレス。
少し高めの黒のヒールが用意されて、まるでどこかのパーティーにでも行くかのよう。
「すべて準備が整いました。
いかかでしょうか、芙結さま」
そう言って、全身鏡の前に立ったわたしはほんの数十分でだいぶ見た目が変わってる。