王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



突然、わたしたちの前に現れた女の子。

芭瑠くんの名前を呼びながら、そのまま芭瑠くんの胸の中に飛び込んだ。


一瞬、何がどうなってるのか理解が追いつかない。


この子はいったい……。


「もうさっきから探してたのに!!パパに聞いても芭瑠のこと見てないって言われたから」


かなり可愛らしい女の子。

少し明るめの綺麗な髪は、毛先までしっかりカールがかかっていて。

ぱっちりの二重の目に、その大きな目が瞬きするたびに、長いまつ毛がふさふさ揺れる。

肌は真っ白で、唇はうるうるでほんのり桜色。


小柄で華奢で、とても可愛いお人形さんみたいな容姿の持ち主。


「……小桃。いい加減、人前でこうやって抱きつくのやめてって言ってんじゃん」


「えー、そんなの小桃聞いてないもん、知らなーい」


小桃さん……って名前なのかな。
芭瑠くんとかなり親しそうだけど、どういう関係なんだろう?

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