王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



「芙結、紹介するよ。
この子は木科小桃さん。父さんの会社の取引先の社長の娘さん」


そういえば、さっき芭瑠くんのお父さんが木科さんがいらっしゃってるとか言ってたけど、その人の娘さんなんだ。


ゆっくり小桃さんのほうを見てみれば、あまりいい顔はされなかった。

むしろかなりきつく睨まれてる。


「取引先の娘さんなんてそんな紹介してほしくなーい」

「いや、事実だし」


かなり不満そうな口調で喋っているので、なんだかこちらも気を使って何も喋ることができない。


「んで、その芭瑠の隣にいる女の子はなんなの??」

「この子は僕の大切な子だよ」


小桃さんの身体を少し遠ざけて、すぐにわたしの身体を抱き寄せてそう言ってくれた。


「ふーん?大切な子??小桃よりも?」

「もちろん」


「へぇ……わたしより大切なんだ」


不満そうな顔がこちらを見た。

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