王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



「あなたお名前は?」

「あっ……えっと、白花芙結です」


わたしのことが気に入らないのか、話し方がかなり威圧的っていうか……。


「ふーん、芙結ちゃんね」

上から下まで舐めるようにジーッと見たあと。


「あっ、そうだ。さっきパパが芭瑠のこと探してたよ?挨拶まだでしょ?いってきたらどう?」


「いや、あとで木科さんの時間空いたとき見つけていくからい━━━━」


「ダーメ。今すぐ小桃のパパに挨拶してきて。会社が関わってるんだから、そういうことは早めに済ませておくものでしょ?」


芭瑠くんの背中を押して、わたしから引き離すようにする小桃さん。


「いや無理だって。芙結を1人にするわけにいかないし」

「えぇ〜何それ。いつも一緒の柏葉さんはどこにいるわけ??」


「なんか車止めるの手こずって遅れてるみたいだから」

柏葉さんのことまで知ってるんだ。
そりゃそっか……。会社関係のお嬢さんだったら何度も会う機会もあるだろうし……。

< 172 / 361 >

この作品をシェア

pagetop