王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。

「芭瑠の隣はいつも小桃なのに」


「っ、あの……、小桃さんは、芭瑠くんとどういう関係……なんですか」


「んー、将来を約束された関係ってところ？」


つまり、それって……。
嫌な予感がするし、それが的中しそうで怖い。


「……婚約者、……ってこと、ですか……？」

「んー、まあそんなところかなぁ」


芭瑠くんとの関係を見せつけるように話す口振りは変わらない。


「でも、芭瑠くんはそんなことひと言も……」


「芭瑠が認めなくても、これは決まってることなの。だって将来、芭瑠が小桃と一緒にいることを選んだらメリットがたくさんあるんだから」


きっとそれは、わたしが知らない世界の話。


「小桃と一緒にいれば、パパの会社との関係は今よりますます良くなるだろうし。

それに、芭瑠のことを1番近くで見てきた小桃だからこそ、支えることができるし、つらさもわかってあげられる。……それに対してあなたは何ができると思う？」