王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
それに、前からずっと思っているけど芭瑠くんの気持ちが全然わかんない。
わたしに触れるのは、キスするのはなんで……?
好きとも、付き合ってとも言わない。
こんな曖昧な関係が嫌になってくる。
それと同時に、いつか芭瑠くんがわたしのもとを離れて遠くに行ってしまうような不安まで出てくる。
そして将来、わたしではなく小桃さんといることを選ぶんじゃないかって……。
こんなこと考えても無駄なのに。
どうせ不安になるなら、この想いをぜんぶ伝えてしまえばいいのに。
いつもこうやって不安がって頭の中で考えるだけで行動に起こしたりしないのがいけないんだ。
ずっと熱い湯船に浸かっているせいと、考え事をしたせいでなんだか意識がふわふわしてくる。
ゆっくり湯船から出て身体にタオルを巻く。
少しの空気の冷たさが熱い身体にちょうどいい。
ポーッとして、無防備な格好のままバスルームを出た。