王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



このまま、ぜんぶ言っちゃえば━━━━。



「すき、……っ」


口にした途端、なんでか恥ずかしい。
ごまかすために、自ら唇を重ねた。


チュッと音を立てて唇を少しだけ挟むキス。

スッと唇が離れると、芭瑠くんは優しくわたしの頬を撫でながら聞いてくる。


「……酔ってるの?」

「ちがう、よ……。酔ってない」


「ほんとに……?」

「うん……。わたし、芭瑠くんのことずっと前からすき、だいすき……っ」


やっと口にできた。
もうわたしは芭瑠くんしか見えてない……。


すると、芭瑠くんはにこっと笑ったまま。


「……僕も芙結のこと、すきだよ」

「ほんとに……?」


意外とあっさり告げられて、本当かどうか疑っちゃう。


「ほんとだよ。幼いときから変わってないから」

「でも、芭瑠くん……今まですきって一度も言ってくれなかった、じゃん」

< 186 / 361 >

この作品をシェア

pagetop