王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
このまま、ぜんぶ言っちゃえば━━━━。
「すき、……っ」
口にした途端、なんでか恥ずかしい。
ごまかすために、自ら唇を重ねた。
チュッと音を立てて唇を少しだけ挟むキス。
スッと唇が離れると、芭瑠くんは優しくわたしの頬を撫でながら聞いてくる。
「……酔ってるの?」
「ちがう、よ……。酔ってない」
「ほんとに……?」
「うん……。わたし、芭瑠くんのことずっと前からすき、だいすき……っ」
やっと口にできた。
もうわたしは芭瑠くんしか見えてない……。
すると、芭瑠くんはにこっと笑ったまま。
「……僕も芙結のこと、すきだよ」
「ほんとに……?」
意外とあっさり告げられて、本当かどうか疑っちゃう。
「ほんとだよ。幼いときから変わってないから」
「でも、芭瑠くん……今まですきって一度も言ってくれなかった、じゃん」