王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
「ぬぅぅ……足首痛いし、ヒール邪魔だし……っ」
さすがに外を裸足で歩き回るわけにはいかないと思い、ヒールの靴で歩くけど歩きづらくて仕方ない。
でもでも、見知らぬ人と結婚させられるくらいなら、これくらいの痛み我慢しなくちゃ。
ふらふらの足取りで、ようやくお屋敷から少し離れたところで。
大きな噴水と、花壇がある場所までたどり着いた。
……この花壇、たしか。
またしても、既視感を覚える。
もしかして……と思い、花壇から少し離れた場所に足を進める。
何年も前のことだっていうのに、意外と記憶は鮮明に残っていて。
まるで、想い出に導かれるように足が進む。
そして、たどり着いた……
「う、うそ……っ」
10年前と全く変わらない、
大きな桜の木を見つけた━━━━━━。