王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



***


そして、予定だと明日退院してくる日まで来てしまった。

気づけばここ数日、何も考えずにただなんとなく時間が過ぎるのを待っていただけ。


わたしほんとに何やってるんだろう……。
一度も会いに行かずに、こんなうじうじと。


芭瑠くんが今、1人で何かを抱えているときだからこそ、支えてあげられる存在にならなきゃいけないはずなのに……。


ほんとに情けない。



学校が終わるといつもどおり柏葉さんが車で迎えにきてくれる。

そのまま車に乗り込み、いつものようにお屋敷に帰るかと思った。

だけど、車はなかなか発車しない。


どうしたんだろうと思い、声をかけようとしたときだった。


「今日、芭瑠さまに会いに行かれてはどうでしょうか?」

突然の提案に戸惑った。

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