王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
「わたしが出来ることは何もないけど、いつでも相談に乗るからなんでも話してね!」
「ありがとう詩ちゃん」
きっと、もっと時間が経てば
どんどん忘れていくだろうから……。
今はただ、時間が流れていくのを待つしかない。
***
そして、なんとか本棚の整理が終わり詩ちゃんと門を出たところで別れた。
スマホで時間を確認してみれば、夕方の6時。
ちょっと遅くなっちゃったかな。
お母さんに今から学校を出ると、メッセージを送ろうとしたとき。
パッとスマホから目線を外してみれば、
見覚えのある人物が立っているのが見える。
わたしが向こうの存在に気づいたとほぼ同時、向こうもわたしの存在に気づいてこちらに寄ってくる。
そして、わたしの目の前に立った。
「お久しぶりです、芙結さま」
そこにいたのは柏葉さんだった。