王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
きっと、わたしが知らないところで芭瑠くんはたくさんの期待とプレッシャーの中で求められたものに応えられるよう、ひたむきに努力を積んできたんだ。
「同じ歳の方たちよりは、かなり苦労しているとわたしは思います。
決められたレールに沿って、決められた道しか進めない。これがどれだけつらいことか」
ただ話に耳を傾けることしかできず、何も声を発せない。
芭瑠くんはどんなにつらくても、わたしの前ではぜったいに弱いところは見せない。
わたしが知ってる芭瑠くんは、何をするにも卒なくこなして、欠点がなくて、非の打ちどころない。
だけどそれは生まれ持った才能もあるかもしれないけれど、芭瑠くんが培ってきたものがあったから、常に完璧を求められる世界で生きてきたから……。