王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
王子様の甘さは止まらない。
***
そして迎えた翌朝。
いつもどおりの時間に家を出て、電車とバスで学校へ向かおうとしたんだけど。
「……!?」
家の前にデーンと停まっている見覚えのある黒い車。
そしてそのそばに立っている見覚えのある黒服の人。
「おはようございます、芙結さま」
「えっ、あっなんで柏葉さんがここに!?」
「お迎えに参りました」
「えぇ!?」
ガチャと車のドアを開けられて、
中にはもちろん……。
「おはよ、芙結」
芭瑠くんがいるわけで。
「む、迎えに来てくれたの?」
「もちろん。早く芙結の顔見たかったし。
早く乗っておいで」
腕をグイッと引かれて、そのまま車の中に乗り込んで、おまけに芭瑠くんの腕の中。
「えっ、あっ……!」
「はぁ……ほんと芙結に会えるまで長かった」
「うぅ、待って待って!つぶれちゃう!!」
もう離さないよって感じで抱きしめてくるから、つぶれちゃいそう。