王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
「はぁ……柏葉のやつ、ちゃんと説明してないのか。芙結にちゃんとわかるように説明しとけって言っておいたのに」
「……?」
「とりあえず今から屋敷のほうに戻って話はそこでしようか」
落ち着いて状況を把握している芭瑠くんとは反対に、何が起こっているのかさっぱりわかっていないわたし。
芭瑠くんに手を引かれて、そのままお屋敷まで歩こうとしたら。
「ぅ……っ、」
し、しまったぁ……。
さっき足首ひねったの忘れてた。
今もまだ少しズキッと痛んで、思わず足を止めてしまう。
「芙結?」
「あっ、えと……」
「どうしたの、何があったか言って?」
「あ、足……少しくじいちゃって」
すぐに芭瑠くんが心配そうな顔をしながら、しゃがみ込んでわたしの足に優しく触れる。
どうやらさっきより悪化したみたいで、足首のあたりが少し赤くなっている。