王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



「なんかさー、いいねこういうの」

「えっ?」


わたしが地面にクッションをひいて座って、その後ろにソファに座ってる芭瑠くん。


「芙結の髪から僕と同じ匂いすんの」

「シャンプー同じの使ってるから、かな」


「なんか僕のって感じがする」

「じゃ、じゃあ芭瑠くんはわたしの?」


首をくるっと後ろに向けて振り返ってみたら、芭瑠くんちょっぴりびっくり顔。


「不意打ちの小悪魔は心臓に悪いって……」

「小悪魔?」


「なんか心臓が変になった」

「えっ!?だ、大丈夫……!?」


「芙結にやられた」

「わ、わたし!?」


えっ、わたし何した!?
あわてて首をキョロキョロしたら、ドライヤーの音がピタッと止まった。


「ほんと……僕を翻弄するのが上手な小悪魔さん」

「ほ、翻弄??」


「ほら、そーやって無自覚なところもずるいよね。小悪魔と天然の融合ってずるいと思う」

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