王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
えっ、待って待って!!
なんか展開が急すぎるし、もう何がどうなってるの!?
「うん、もちろん。
そのために今日芙結をここに連れてきたんだよ」
「う、うそ……、これって夢の中……?」
「嘘じゃないよ。
ほら、ほっぺ引っ張っても痛いでしょ?」
「いひゃい……」
自分で引っ張ってみて、たしかに痛かった。
ということは、これは夢でもなく嘘でもない。
「え、な、なんでいきなり結婚なの!?」
もう頭の中はパニックどころの話じゃない!
「いきなりって、約束したよ?
必ず芙結を迎えにいくって」
た、たしかに昔……芭瑠くんがわたしの前からいなくなるとき……。
『ぜったい迎えにいくから。
その時まで、僕のこと待っててほしい』
そう言われたのは今でも覚えていて。
だけど、そんなの小さな頃に交わした口約束なのに、守られるわけないと思っていたのに。