王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



「久しぶりの再会が嬉しいのはわかりますが、芙結さまのペースも考えたほうがよろしいかと思います。

それに、わたくしのせいで怪我をさせてしまったようですし、手当てもまだされていないかと思いますので」


柏葉さんが片手に救急箱を持っていて、そのままわたしの足にスッと触れると。


「柏葉は誰の許可を取って芙結に触れてるの?」


「こんな時までヤキモチはやめてください。芙結さまの手当てが優先です」


な、なんだか芭瑠くんと柏葉さんの関係ってよくわかんない。

主従関係なら芭瑠くんのほうが上なはずだけど、どこか柏葉さんのほうが一枚うわてのような……。



「なら僕がやるから。芙結に触んないで」

「芙結さまのことになるとムキになるのは昔から変わりませんね」


すると、わたしのそばから柏葉さんが退いた。
かわりに、芭瑠くんが手当てをしてくれた。

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