王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。
いつも大人っていうか、子どもっぽい面をあまり見せないからこれは貴重かも。
でも、あんまり機嫌損ねちゃうのも嫌だし。
「じゃあ、芭瑠くんだけにする……ね?」
「ほんと?」
「うん。佳月くんは御堂くんって呼ぶことにする」
これで芭瑠くんが満足してくれるなら全然いいし、むしろ芭瑠くんが怒っちゃうほうが嫌だ。
すると満足そうに芭瑠くんが笑いながら。
「……それでいいよ。
僕だけ、芙結の特別にしてほしいから」
すると、首元に冷たい何かが触れた。
「これ、なんとか今日出来上がったみたいだから」
「あっ、これ今朝話してた指輪?」
リングがシルバーのチェーンに通されて、ネックレスとして持ち歩けるようになったみたい。
「そう。これなら制服から見えないようにしておけば身に付けることもできるし」
芭瑠くんも同じように自分の指輪をネックレスにして首にかけていた。