世界No.1の総長と一輪の花 1.5
*
京子がいないと改めて思い知らされる。
自分にはクラスに京子以外の友達がいないんだって……。
休み時間もずっと1人。授業中にたまに前の席から京子が話しかけてくれるのに、今日はいない。
いつも2人で話していたから…なんだか寂しい。
次は体育の授業。
着替えなくちゃ…
自分のロッカーの中からジャージを出して、更衣室に向かおうとしたところで
「妃芽乃ちゃん、ちょっといいかな?」
私に話しかけてきたのは金髪で制服を着崩した男性。その首元にあるドクロのネックレスがきらりと光った。
話したことも見たこともない男性だ。
「…えっと…あの……」
上手く言葉が出てこない。
次は体育の授業だから、って断らなくちゃいけないのに…。
「じゃあここでいいや」
目の前の男性はにこりと微笑んでから
「これ、妃芽乃ちゃんにあげる」
差し出されたのは綺麗に包装された箱。
…なんだろうか。