世界No.1の総長と一輪の花 1.5
…え?
…わ、渡すな……って…
え?
一瞬聞き間違いだろうか、と思った。
けど、詩優がまっすぐ見つめてくるから……強く手を握ってくるから……。
聞き間違いではないんだと思った。
「…チョコあげようとした男が好きなの?それとも、気になってんの?」
どっち?、と言って私の手を握ったまま一歩前に進んで距離を縮めた。
…好き?
…気になってる?
チョコを渡そうとした相手のことを?
ドキっ!と胸が高鳴る。
私は、雷龍のみんなのことが…詩優のことが
…大好き。
でもその好きは、きっと普通の好きよりも…
「……と、特別だと思ってる」
私がそう口にした瞬間、詩優は握った手を離した。