世界No.1の総長と一輪の花 1.5





「夕飯にするか!」


「…あっ、今から何か違うのつくるね……!」



花莉は袖をまくって、冷蔵庫へと向かう。けど、腕を掴んでそれを阻止。




「それ、焦げたのは上のほうだけだろ?下のほうは食えそうじゃん」




指をさしたのは真っ黒に焦げたグラタンのようなもの。
せっかく花莉がつくってくれたんだから。俺のために……。




絶対美味いに決まってる。





「…だ、だめだよっ!!こんな焦げたグラタン体に毒だよ……?」


「好きな子がつくる料理なら何でも食いたいんだよ。
つくってくれてありがとな」





花莉の柔らかい頬を両手で包み込んで、こつんと額をくっつける。




至近距離にある花莉の顔。
その子の可愛い顔が一気に真っ赤になっていく…。





…可愛い。




さっきは俺のベッドの上に乗ったり、自分から顔を近づけてきたから、そういうのはもしかしたら慣れているのかも…とか思ったけど




「男慣れしてないんだな」




安心して思わず思ったことが口から漏れた。
あっ、と思ってももう遅い。




「……っ!!」




彼女は恥ずかしそうに目をそらす。










俺だけにドキドキすればいいのに。

今度は心の中で呟いた。

< 7 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop