世界No.1の総長と一輪の花 1.5
「夕飯にするか!」
「…あっ、今から何か違うのつくるね……!」
花莉は袖をまくって、冷蔵庫へと向かう。けど、腕を掴んでそれを阻止。
「それ、焦げたのは上のほうだけだろ?下のほうは食えそうじゃん」
指をさしたのは真っ黒に焦げたグラタンのようなもの。
せっかく花莉がつくってくれたんだから。俺のために……。
絶対美味いに決まってる。
「…だ、だめだよっ!!こんな焦げたグラタン体に毒だよ……?」
「好きな子がつくる料理なら何でも食いたいんだよ。
つくってくれてありがとな」
花莉の柔らかい頬を両手で包み込んで、こつんと額をくっつける。
至近距離にある花莉の顔。
その子の可愛い顔が一気に真っ赤になっていく…。
…可愛い。
さっきは俺のベッドの上に乗ったり、自分から顔を近づけてきたから、そういうのはもしかしたら慣れているのかも…とか思ったけど
「男慣れしてないんだな」
安心して思わず思ったことが口から漏れた。
あっ、と思ってももう遅い。
「……っ!!」
彼女は恥ずかしそうに目をそらす。
俺だけにドキドキすればいいのに。
今度は心の中で呟いた。