君は同期で幼馴染で××で
「真紀ちゃん、いい部屋が見つかって良かったね」

「そうだね。引越しのこととか、準備しないとね」

「それはまた、明日にでも考えよう。今日はもう疲れたし、このままご飯を食べながら帰ろう」


駅の近くで簡単に食事を済ませて、自宅マンションへ向かう。今日は、陸がずっと手を繋いでくれていて、それがとても自然なことだと馴染んできた。

途中、陸が繋いでいた手をグイッと引っ張った。

「ん?どうしたの?」

「ここの公園に、ちょっと寄っていい?」

「いいけど……?」

もうすっかり暗くなっている。いったい、なんの用があるというんだろう。
陸はなにも言わずに、外灯に照らされたベンチに誘導して、そのまま私を座らせた。
少し小高い丘の上にあるこの公園からは、街の明かりが綺麗に見える。夜景とまではいかないかもしれないけれど、見ていると癒される場所だ。
陸の行動に疑問を感じながら、眼下に広がる灯りを眺めていた。




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