君は同期で幼馴染で××で
「真紀ちゃん」

立ったままでいた陸が、優しく私に呼びかけながら私の前に跪いた。
さっとポケットから小さな箱を取り出すと、蓋を開いて私の前に差し出した。それが何なのかすぐに気づき、目を見張る。

「真紀ちゃんのことが大好き。ううん。愛してる。だから、今すぐじゃなくていいから、近い将来、真紀ちゃんの覚悟が決まった時、僕と結婚して欲しい。これを受け取って、確実な結婚の約束をして欲しい」

どこまでもまっすぐなその瞳の奥にあるのは、私のことを本当に愛してくれているという想いと、わずかな不安。陸はきっと、まだ不安があるんだ。私は、陸を安心させてあげたいって、心の底から思った。

「はい。よろしくお願いします」

にっこり微笑んで返事をすると、陸は満面な笑みになって、私に指輪をはめてくれた。そこにそっと口付けすると、もう一度私を見つめる。

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