君は同期で幼馴染で××で
「真紀ちゃん、口開けて」

陸に促されて、おずおずと口を開けると、待ちかまえていたかのように、私の口の中に温かいものが入ってきた。陸の舌だって理解すると、心臓が痛いぐらいドキドキしてくる。



どれぐらい経っただろうか。
離された時には、慣れない状況に息が上がっていた。立っていることすら難しくて、おもわず陸の腕にしがみついてしまう。

「真紀ちゃん、可愛い」

きっと惚けた顔をしていたと思う。
陸って……本当にキスが初めてなんだろうか……

「真紀ちゃん、信じてよ!」

何を?陸の言っていることが分からなくて、首を傾げる。

「顔に出てるよ。本当にキスは初めてかって。初めてに決まってるのに。そりゃあ、数え切れないぐらいのイメージトレーニングはしたけど」

きまり悪そうに、だんだん小声になっていく陸。なんだか、顔まで赤くなっている。
言っていることはすごいんだけど、不快に思わなかった。陸もそれを見て取ったのか、ホッとしたように目尻を下げた。

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