君は同期で幼馴染で××で
配属が決まって、一週間経った金曜日。
事前に予告されていた課の歓迎会が、近くの居酒屋で行われた。
最初こそ、新人の4人は一列に並べられていたものの、会が進むにつれてお酒を注ぎに回ったり、先輩に話しかけられたりと、座席は入り乱れていた。

陸もお酒を注ぎに行ったようだけど、その先でお姉様方に捕まっていた。綺麗な人がたくさんいるというのに、陸は明らかに引き気味だった。見慣れた私だからわかるけど、作りものの笑みを貼り付けていた。



「相川さん、飲んでる?」

一通りお酒を注いで回り、料理を食べようと席にもどると、男性社員が2名近づいてきた。声をかけてきたのは、私の指導をしてくださっている花山さんだ。褒め上手で、とても頼りになる方だ。


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