君は同期で幼馴染で××で
「そうなんですよ。僕達、大学から一人暮らしを始めたんですけど、お隣さんなんですよー」

「ちょっと、陸!」

「真紀ちゃんの手料理、美味しいですよー」

陸の暴走が止まらない……
陸って、酔うとこんなキャラになる人だったか?

「そ、そうか。わかった。俺も食べて見たいよ」

若干、引き気味に言う沢村さん。

「だめです!!真紀ちゃんの手料理は、絶対にあげません!!」

「沢村、そういうことだ。他に目を向けよう」

花山さんに促されて、力なく立ち上がる沢村さん。

「あ、ああ。それじゃあ、相川ちゃんに恩田、これからも仕事を頑張ろう」

「はい……」

はあ……なんてことをしてくれるんだ。これじゃあ、大学の時と同じじゃん。



「陸……」

「ん?」

「……なんでもない」

文句の一つも言ってやろうかと思ったけど、アルコールのせいか、瞳を潤ませながらにっこり微笑む陸を見たら、何も言う気になれなかった。

「そろそろ終わるし、一緒に帰ろうか、陸」

「うん」


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