君は同期で幼馴染で××で
ほとんどの人が集まった時点で、会がスタートした。

「1年間、お疲れさまでしたー!今日は存分に羽を伸ばしちゃいましょう!カンパーイ」

音頭をとったのは、飲み会好きで毎回幹事をしてくれる渡辺君だ。

こういう飲み会では、私の隣には決まって陸が座る。

「恩田は相変わらずだなあ。相川一筋じゃん」

「もちろんだよ!」

渡辺君の言葉に、嬉しそうに返す陸。こんなやりとりも、もはや定番になっていて、否定する気力も湧かなくなった。まあ、否定したところで、冷やかされるか流されるかのどちらかだけど。

「だって、真紀ちゃんと僕は、一緒に旅行も行った仲なんだから。それも数回ね」

「ええー」

「ちょっと、ちょっと。お前らいつのまにそういう仲になったんだ?付き合っている〝ふう〟じゃなかったのか?」

「陸、何言ってるのよ。旅行なんて行ってないじゃない」

「うーん……5年前と、7年ぐらい前と……なんだかんだで、3回は行ったよね!」

うん。それって……

「はあ……陸。それって、修学旅行とか宿泊研修とかじゃない……」

「あは。バレちゃった」

〝バレちゃった〟じゃないよ!テヘペロが似合う成人男子ってどうよ……

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