君は同期で幼馴染で××で
またいつものように、飲み会が終わったなあ……
私はこのままでいいんだろうか。

少し前に、高校の時の親友の舞から結婚の報告を受けて、いろいろと考えてしまう。
このまま、陸の横にいていいのかなあ……
なんか、このままだと一生独りなんじゃないかって、今さらながら思えてしまった。

不意に、言いようのない不安に襲われて身震いすると、同時に腕を掴まれた。

「陸、早かっ……」

振り向きながら声をかけるも、最後まで言えなかった。
全身黒尽くめの洋服に、黒いマスクとニット帽の男に腕を掴まれ、布のようなもので口を塞がれてしまった。
そのまま、灯りのない方へと引きずられていく。抵抗しようにも、口を押さえられているから声も出せず、酔いが邪魔をして、押し返す力も弱々しい。
恐怖で全身が震えていた。


ー助けて、陸ー


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