君は同期で幼馴染で××で
「真紀ちゃん!!」

焦った陸の、叫ぶような声に続く足音。追いついてきたと思ったら、急に不安定な中に放り出された。そして、瞬時に安心感に包まれた。
駆けつけた陸が、私を拘束していた男を蹴り飛ばし、急に手を離されてふらついた私を、抱きとめてくれたようだ。

「真紀ちゃん、大丈夫?」

心配でたまらないっていう顔をした陸が、私の無事を確認する。見たことのないぐらい動揺している陸を安心させたくて、「大丈夫」ってすぐに言いたいのに、ショックからか声が出ない。

陸が蹴り飛ばした相手は、いつのまにか逃げたようだ。

私が無傷なのを見てとった陸は、恐怖で震える私を安心させるように、ギュッと抱きしめて背中を撫で続けてくれる。

「真紀ちゃん、1人にしてごめんね。もう大丈夫だから。大丈夫だから……」

なぜか陸の方が泣き出しそうな感じで、しばらく抱きしめたままでいてくれた。



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