君は同期で幼馴染で××で
「真紀ちゃん、もう大丈夫?」

「う、うん。それより陸、なんでここで寝てるの?」

「えっ?覚えてないの?」

陸は心外だというような表情をする。
相変わらず、どんな表情をしても可愛らしいと思う。でも、私の体に回されている腕は思いの外たくましくて、確かに陸は男の子なんだと思わされる。なんだかドキドキしてしまう。

「う、うん。覚えていない」

「まあ、それもそうか。昨日はね、真紀ちゃんが眠るまで手を握っていたでしょ?それで、真希ちゃんが寝ちゃった後、僕も寝ようとしたんだよ。けど、真紀ちゃんがすごい力で手を握ってて、離せなくって。僕も眠かったし、仕方がないからそのまま横で寝させてもらったんだよ」

「ご、ごめん。私、そんなんだったんだ」

なんだか照れくさくて、ごまかすように体を起こした。陸も一緒に体を起こす。

「陸、朝ごはん食べる?たいしたものはないけど、お礼に用意するよ」

「ありがとう」

陸は、嬉しそうににっこり微笑んだ。

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